少年は残酷な弓を射る We Need To Talk About Kevin
出演:ティルダ・スウィントン, エズラ・ミラー, ジョン・C・ライリー 2011年公開(アメリカ・イギリス)
監督:リン・ラムジー 原作:ライオネル・シュライヴァー著「We Need To Talk About Kevin」
母親に対する嫌悪感は映画を見ている側にも湧きあがってくるが、理解できないはずの小さなケヴィンは、見ている側を見透かしたように母親を嫌う。母親の愛は無条件という常識は通じず、母親を求める子供の無垢な愛情さえどこへ行ってしまったのだろう? 母と息子の関係は奇異で異常で不快でもある。
頭が良く、すべてを理解していたはずのケヴィン。刑務所で母親と離れて暮らした2年間にどのような変化があったのか。2年経ったその日、母親に「なぜ?」と聞かれたケヴィンは答える。
「分かっているつもりだった。でも、今は、違う」
聞いて、ホッとしたのは私だけでしょうか?
きっとそんな事は無いはずで、母親も数度頷いた。ケヴィンを抱きしめた時、きっと母親は思ったに違いない。ようやく、ケヴィンと向き合える・・・と。
冒頭から意味不明(トマト祭りですよね?)の映像から始まり、現在と過去が入り混じり、混乱するが、現在のエヴァへの嫌がらせと、心が通わない生まれてきた息子、そして過去の映像は、どのように繋がっていくのか。。。見ている側のつじつま合わせが終わる時、父親と妹がどうなったのかも分かるが、混沌のままではなく、母親はきっと息子の帰りを期待を込めて待つのだろうと思うと、悲惨な事件を起こした殺人はではあるけれど、ケヴィンが普通の日々を手に入れられるのではないかと、少し安心する。
- ティルダ・スウィントン
- エヴァ
- エズラ・ミラー
- ケヴィン
- ロック・ドゥアー
- 幼少のケヴィン
- ジャスパー・ニューウェル
- ケヴィン6-8歳
- ジョン・C・レイリー
- ロージー
- アシュレイ・ゲラシモヴィッチ
- セリア
Column…
子役たちが凄かったです! 幼少のケヴィンを演じたのは、ロック・ドゥアー君。初めての映画出演です。
母親に反応しない様子を撮った監督とカメラマンが凄い!って事になるんでしょうか?
可愛いのに、母親に反応しないって、ホント腑に落ちないような感じです。
母親への反応を見ていると、こちらも腹が立ってきたりするんですが、イライラした母親のせいで腕を折った時も泣かないんですよね・・・・。そして、自分が暴れて落ちて腕を折ったんだと父親に説明するんですが、・・・・・母親に罪悪感を持たせるための説明なんでしょうかね?
ドラマ「ロイヤル・ペインズ」で金持ちの息子ながら病気と闘うタッカー役で出演している時から、人の心の細やかな動きを表現できる人だと思って見ていましたが、凄い俳優さんでしたね(*^_^*)
英国インディペンデント映画賞では、助演男優賞を受賞しています。
もしかすると、もともと破滅的な性格を持ち合わせているかも・・・・。役者として表現できれば素晴らしい事になるでしょうね☆
映画のラストシーン。恐らく、初めて母親エヴァに分かって欲しいと思った時。
この映画の後、エマ・ワトソンと共演した「ザ・パークス・オブ・ビーイング・ア・ウォールフラワー」が日本で今年2013年公開予定。ゲイの役みたいですが、これも見てみたい!